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▲肉食否定派の日本人のみなさんがブログ等で紹介する有名な話に、ベルツの実験があります。明治期に日本にやってきたドイツの医師ベルツが、110kmを14時間半で走破する人力車夫に肉を食わせたらとたんに体力が落ちた、というもの。しかし、大半のブログはベルツの実験に関する出典を明記しません。わずかながら「ベルツの日記」に書かれているという人もいましたが……。
▲私、そのエピソードを何かの本で読んだ記憶はあります。むかし「ベルツの日記」も通読しました。このたび、積み上げた蔵書をさんざんあさってみごと岩波文庫を探りあてましたが、ざっと見た限りベルツの実験に関する話は見つからないのでした(あったらごめん)。もちろん、だからといって「ベルツの日記」の価値が下がることはありません。 ▲なお執念深く検索すると、なんとなくわかりました。明治期の医学雑誌に発表されたベルツの論文が「日本の伝統食に回帰せよ」と主張する最近の本に紹介され、それをみんな孫引き曾孫引き、でコピペしているらしいのです。原典にあたらずによく書けるなあ、とみなさんの勇気に感心します。 ▲ベルツの論文はそのうち国会図書館あたりで読むとして……。あえて私も原典にあたらぬ愚をおかし、いまある情報から推論をお話ししておきましょう。 ▲実験によりますと、体力のある車夫は多量の米と、じゃがいも、大麦、粟、百合根を食べていたんだそうです。かれらに肉を食べさせ、米の一部を減らしたところ、その結果体力が落ちた……といいます。ベルツがどう結論づけているかはわかりませんが、肉食否定派(おそらくほとんどがベジタリアン)のみなさんはこれをもって「肉は体力を奪う」と断定しているわけです。しかし、本当でしょうか? ▲この話のポイントは動物性蛋白質ではなく炭水化物だという気がしてならないんです。肉食否定派のみなさんはご存知ないかもしれませんが、マラソン選手はカーボローディングといって、レース数日前から炭水化物中心にします。持久走のエネルギー源は糖質と脂肪です。だからごはんやパスタをたくさん盛り食べてグリコーゲン(糖質)を貯め込むわけですね。毎日50km走れと言われた場合、私だって炭水化物の比率を増やすでしょう。つまり、この実験で車夫が長距離を走れなくなった原因は(肉の量ではなく)炭水化物を減らしたことによるガス欠(ハンガーノック)じゃないか。……と、これが今現在の私の推論。続きは論文を読んでから。 ▲もし肉とスタミナに関係があると考えるなら、自分か近くにいる人の体で実験してみればいいんですよ。私は1ヶ月以上肉を食べません(魚は食べてます)けど、持久力が増したとは思いません。減ったとも感じない。 2013/10/20追記 このエントリーのアクセスが多いので具体的に書いておきますと、人力車夫の話を私が読んだのは、島田彰夫『食と健康を地理から見ると』(農文協刊)です。この本に「ベルツが一九〇一年のベルリンの医学会において発表した内容が、同じ年の『中外医事新報』に紹介されている」とあります。
by kuranonaka1115
| 2013-07-10 23:59
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